Solo Flamenco直前に控えて・・・

阿藤久子
 

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演を直前に控え、スペイン側の練習はどんな具合かしらと少し
気になります。私と高橋が振付を受けに行っていた期間(9/10
〜9/20)、若手ダンサー3人とも初対面。とにかくグアッポ(美男
子)達にびっくり!まだ彼らの振付も途中で完璧に出来上がっていたわけではないのですが、それぞれの個性は充分に感じられました!!
ああ


写真:エル・グイト/阿藤久子の練習風景
(9月スペイン・マドリードのスタジオにて)

スペイン練習風景1

スペイン練習風景2   エル・グイートについて・・・
 
んな時でも冷静沈着。とにかく落ち着き払っています。私とは
180度違う、彼のキャラクターはとても魅力的。いつか私も・・・と
思ってしまいます。
エル・グイートの存在を聞かれると、「フラメンコ界の北島三郎」と答えて
きました。それほど大物・大御所なのです。 コルドバのコンクールに
エル・グイート賞が作られたことだけでも彼の偉大さがお分かりいた
だけることでしょう。
ころで最近彼をみて”イアン・ソープだ!”とも思いました。
しぶきをあげず、悠然と泳ぐオーストラリアのスイマー。グイートの
踊りは滑らかで、バタバタせず、本当に美しい。動きに無駄がな
いのです。「静」の部分を特に重んじ、とにかくいらないものをそぎ落とし、必要なエッセンスのみをシンプルな動きに込め、精神的な集中はどこまでも深く、それでいて暖かい・・。こんな踊り手は今後出るのだろうかとスペインでも言われています。
  スペイン練習風景3
スペイン練習風景4  
ズム中心のフラメンコが主流になっている今、足は機関銃の如く、
強く、速く打てるものの、内面表現はどこに行ってしまったのかしら
と思う様な踊りばかり。そろそろ本来のフラメンコに目を向ける時
が来ていると思います。今59歳のグイートですが現役で舞台に立ち、多くのファンを魅了しています。今回私も再び同じ舞台に立てる喜びはもちろんですが、一人でも多くの方に彼の踊りを観て頂きたいと願っています。特にフラメンコを勉強しようとしている方達にとっては必見といえるでしょう。エル・グイートを観ずしてフラメンコは語れないと思います。
ドリードでの練習もとても静かに進んで行きました。彼の動きを少
しでも見ておきたい、脳裏に焼き付けようと全神経を注ぎました。
さらに撮影したビデオをホテルに戻ってから何度もチェック。
とにかく腰も足も関節も柔らかい。これが滑らかな動きを作る源なのかも知れません。
  スペイン練習風景5
回の舞台はとにかく展開が速いのが特徴。1曲はあまり長くないのですが、たたみ込む様に次の曲へと
移って行きます。タイトルのSOLO FLAMENCO(ソロ・フラメンコ)から、「ソロの曲ばかり?」との質問も
ありましたが、グイートの舞台はいつもこのタイトル。彼は"Solo"を”純粋な”という意味で使っています。
来日回数も少ない彼、スペインでもなかなか観られない踊り手・・・日本で観れる最後のチャンスかも知れません
是非とも皆様のご来場をお待ちしております。「観てよかった!」と言って頂けると確信しています。
最後に、グイートを踊る「シギリージャ」、ご期待ください。

2001年10月 阿藤久子 


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