田路真由美のスペイン留学日記
その2
●9月3日●9月4日●9月5日●9月6日
●9月3日





































 この3日間、Madridを十分楽しんだ。
いつもながら、先の計画を立てずスペインに来たので、今後の住家も決まっていない。
今回はMadridに居座るのも良いかも??なんて思ってしまった。
初めて留学した時以来ずーっと、南(Sevilla)に行ってることやし。
こちらには気心知れた大好きな友人がいる、ここに居るほうが夜な夜な楽しいのは確実だ。

 しかし、やっぱり身体は「南に行きたい。」って言ってる気がした。

 昨日Sevillaで何度かお世話になったアパートの大家さんに電話してみた。
今月は2年に1度のフラメンコの祭典がSevillaで行われるので、旅行客や留学生が多い。
よってホテルの予約や、間借りをすることが難しくなる。
そんなことは日本を出る前から分かっていたことだが、超面倒臭がりの私は日本からの予約が億劫でスペインに行ってみて無けりゃ無いで、他の都市に行こうと考えていた。
ラッキーにも?ちょうど私が滞在する期間のみ部屋が空いてると大家さんは言った。

 やっぱSevillaに行けってことだっ!!

 今、Sevillaに向かうAVE(新幹線みたいなもの)に乗るために、Atocha駅にいる。
ここでも面倒くさがりの私は、チケットも取らず適当な時間に出てきたため、AVEは満席続きで2時間後の出発となった。

 まっ、スペインだし焦ることも何もない、ユックリと時間を味わうのも良いねっ♪

 そこでご飯を食べることにした。
分かってはいたけど、高価な?いやっバカ高い昼食をユックリユックリ取った。
しょ〜もない(ゴメンなさい)ランチプレートとビールだけ¥2000ちょっと。
でも何だか優雅な気分になっちゃった。。。私って安っ。。。

 AVEに乗るといっつも思う。
スペインってめちゃくちゃ土地余ってるな〜なんて。
 Santa Justa駅に着いた。Sevillaだっ!!
やっぱ、ホッとする。Madridにいた時と身体で感じる空気が違うなぁ。
また今年もSevillaに来ちゃった。
代わり栄えしないって思われるかもしれないけど、やっぱここが一番落ち付く場所だ。
さあ、ドコでも行くぞーって気分になれる。



●9月4日
















 今日はボケていた。(いっつもか(^^ゞ??)

 いよいよ今日からレッスン開始!!
4日間、ナマッタ体をリセットだーと思って、張り切ってスタジオを訪れた。
閉まっている…。(何故??ビエナルのせいっ??)
何故か分からないまま、次のスタジオへノまたまた閉まっている(@_@)???
インターネットカフェも閉まっていた。表の看板では今日は空いているはずの時間帯なのに。
朝ご飯を食べてなかったので、お腹がすいてカフェに入った。
その時カレンダーが頭に浮かんだ。
『あれっ?もしや今日は土曜では?!』
すっかり金曜日と勘違いしていた。
飛行機に乗って、Madridでボケボケし過ぎて完全に曜日感覚がズレてしまっていた。
 
 なんだか、久々のレッスン凄く楽しみにしてたのに(T_T)。
一気に腑抜けになってしまった。
せっかくCentro(中心街)まで来ているので、買い物でもしよっ。
ってな具合でショッピングに走ってしまった。
 これからがお金いるのにねぇ まったくっ(^_^;)。
●9月5日























































 今日はミゲルとモニカに会いに行こう!!
ミゲルは6年前初めてSevillaに留学した時に、間借りをさせてもらった家の大家さん。
モニカは彼のお母さん(近所に住んでいて、毎日のようにミゲルの家に来ていた)。

 毎回Sevillaに行く度に、彼らに会えることが楽しみだ。
最近ではミゲルは仕事に忙しく、モニカがミゲル以上に私に会うことを喜んでくれていた。
ご飯を食べに連れて行ってくれたり、フラメンコのアーティストの家に連れて行ってくれたり。
今回ミゲルにも会いたかったが、モニカに会いたい気持ちのほうが強かった。

 モニカのケイタイに電話しようか、でももともとはミゲルの家にお世話になっていたんだし、
ミゲルに先に電話するのが筋か??
と余計な日本人感覚の気遣いが出て、結局ミゲルのケイタイに電話した。
「マユミーー!オラーーっ、今ドコにいてるのー?」といつも通り高いミゲルの声。
ミゲルは仕事中でバルセロナに居た。
手短に話し、後日会う約束をした。
「ところでモニカはSevillaに居る?」と聞くと、
ミゲルの声が変わった。
「No ha fallecido.」 「Ha muerto.」

 モニカは今年5月末に亡くなっていた。
いつかはこんな知らせを聞く日が来ることは分かっていた。

 2年前に会った時、彼女は乳癌の手術をしたばかりだった。
髪の毛が抜け、金髪のショートのカツラを被っていた。
でも、カツラとは思えない程良く似合っていた。
彼女はフランス人だからか?いつもオシャレでエレガント、そして強い女性のイメージがあり、
とてもカッコ良かった。
その日は、さすがに術後なだけに疲れた表情と、力強いイメージが少し消えていたことが心配だったがエレガントでカッコ良いイメージはそのままだった。
 そんななか、昨年は元気そうな彼女に会えた。
電話をすると、「ちょうど明日からフランスに行くところだったから、今から会おう。」と喜んで出てきてくれた。
髪も元通りに戻り、仕事もしていたことに、心からホッとして嬉しかった。
しかし同時に、今後こうしてSevillaに来るたびに、モニカの元気な姿に会うことが出きるだろうか?とも考えてしまっていた。
 でもまさか今年、もう会う事が出来なくなるなんて思ってもみなかった。
去年が一昨年より元気そうだったから。
 
 ミゲルとの電話を切って…。
モニカの顔がいっぱい浮かんできた。
ここ10年位、知人の死や悔しい事、哀しい事があっても、思いっきり泣くことはなく、
私ってめっちゃ冷たい人間なんかなぁ?なんて考えたこともあったぐらいだったのに。
モニカを想うと、かなりの間涙が止まらなかった。

 今まで、モニカと会った数を数えると、少ないんだなぁと感じる。
でも、初めてSevillaに住んだ時、そして2度3度4度目と、会う度に一番良い思い出を残してくれた。
フランス語訛りの彼女のスペイン語をまた聞きたいと思う。

 モニカのことを、この旅行記に書くかは迷ったけど、彼女ことを何かに残したいと思った。
「Ha fallecido.(彼女は亡くなりました。)」という言葉は、
好きなアーティストの母親が亡くなった時、モニカが教えてくれた言葉だった。
次に聞いたのがモニカの時だったことが、本当に哀しい。

 大好きなモニカ、安らかに眠って下さい。

●9月6日






























 さぁーっ、今日からウダウダ卒業!!
訛った体を動かせることが嬉しい。
 毎回こちらに来るたびに、レッスンを受けていたファミリーのクラスが、
スペインに来る直前に突然不開講となった。
まぁ、いつもながらよくあることだからしゃ〜ないっ(ーー;)。
 
 誰のクラスを受けようかなぁ〜??
近所のスタジオで、朝から3クラスやってるスタジオに行ってみた。
 うっわ〜…(*_*)。
3クラスとも人でイッパイ。どのクラスもキャンセル待ち。
そりゃ〜、ビエナルの真っ最中に来ちゃったんだから、しかたない。
なんとか朝一10:00からのクラスに入れてもらえた。
この踊り手さん(男性)には1度習ってみたいと思っていた、「ティエント」も取りたかった曲なんで良かった。
生徒は女性が多いせいか、とてもエレガントなティエントだ。
先生もとっても女性らしく踊って見せてくれる。

 11時にレッスンも終わり、さぁ〜何しよっ?
他にお目当てのクラスは来週まで休講。
ビエナルの為に夕方のクラスはほとんど無い。

 今回のスペインは、ほんまにバカンスやわっ(^。^)。
何だか良い気分だ。 朝1クラスのみで昼食べながらビール飲んで、昼寝して、散歩して、夜は友達のお店で美味しいものを安く食べて飲む。
最高やねっ!!
明日からビエナルも本格的に始まるし、チケットでも購入しよっかな?
まぁ気が向いて、チケットがまだあれば行こっと。
のほほん・のほほん
スペインに来てこんなに気楽に過ごすのは久しぶりかも?

 やっぱり、今日も完全にはウダウダからは卒業できませんでしたっ(^_^;)。

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