フラメンコのレッスンは住んでいた部屋から近くにある２つのスタジオに通いました。
１つはアナ・マリア・ロペスのブレリアのクラス。朝11時頃〜14時頃まで延々（と言うかダラダラ？！）ブレリアです。皆で車座になり、ギターも２，３人いて、アナが歌い、それを聞いて一人ずつ踊ります。
でも上手く踊れた時などは皆で「今のはよかった、うん！」「私、あなたのアイレ好きだわ〜」など言い合ったりとてもなごやかなムードでした。
私も正直ブレリアって聞くと今までは及び腰だったのですが、ここでブレリア三昧になり、ブレリア恐怖症がなくなりました。アナがいつも言ってましたが、ヘレスでは長々と踊らずにちょっと出て行ってひと振り、ふた振りしてすっと引っ込むブレリア（ウナパタィータ）がスタイルです。でも自然にさくっとひと振りするのって簡単そうでなかなか難しいものです。
最後の方に誰かに「あなたの踊り最初来たときよりもずっとナチュラルになったわよ」と言われた時は嬉しかったです。アナのたくさんの歌を聞けたことも楽しく勉強になりました。
こちらは初、中、上級とレベル別クラスでした。振り付けもあり足の練習もありの盛り沢山でした。チキはとても親切で、曲を聞いてオーソドックスなマルカールを練習しながら個別に体の使い方など注意してくれました。滞在最終週にチキのスタジオでエル・フンコがクルシージョをすると聞いたので参加しました。すごくカッコいいシギリージャの振り付けだったのですが、5日間のうち3日目には急にキャンセルになって、チキもクラスの子達もア然・・・さすがスペインです。
カラオケも大嫌いな私（関係ない？）がいきなりスペインでカンテを習うなんて無謀かしら・・・と不安でしたが、ラウラのクラスは今回の留学で一番の収穫になりました。
クラスは二人で膝をつき合わせて座り、ラウラが一節歌ってそれを真似するという繰り返しです。まず歌詞を声に出してみる→トーンを合わせる→コンパスにのせてアクセントを出す→抑揚をつけて表現してみる、という感じで進んでいましたが、ラウラ〜そんな急に全部できるかい（＞＜）！
今まで踊ってる時にいつも歌があれば…と単純に思っていましたが、いざ自分が歌ってみるとカンタオール（ラ）って神様みたいに思えました。アレグリアスを習っていた時、一度ラウラに一人で全部歌って聞かせてと頼んだのですが、私一人の目の前でもすごくパワーを出して気持ちを込めて歌ってくれたので、私は感動でツツーと涙が止まらなくなってしまい、びっくりした彼女がギューってハグしてくれた事もありました。
最後のレッスン日は森の中にある自然と動物がいっぱいの彼女の家に招待され、楽しい思い出になりました。当たり前ですが、本当に難しかった…。でもそれ以上に楽しく、もっと練習して歌ってみたい！！次の渡西時も絶対に習ってやるーと心に誓ったのでした。
あるバルの前を通りかかったら、外で一杯ひっかけているおじさん２人に「君、日本人だし踊りに来たんだろう。ちょっとわしのブレリアを聞いてみろ」みたいな事を言われて、歌い出したのですが、そうなると、さぁひと振りヤレソレ〜みたいな感じになり、ええぃっとマルカールしてジャマーダして抜けた（逃げた？）のですが、「なかなかやるやん、一杯飲むか？」となり…というパターンに出くわすのがしょっちゅうでした。そこまではなくてもヘレスの人は愛嬌ある人が多く、私がいた時期は外国人も少なめだったためか、よく色々と声をかけられたりしました。最初は何か物足りなく感じたヘレスでしたが、こんな感じで気が付くとこの街ののんびりペースにすっかりなじんでいました。
私のレポートはフラメンコのことばかりになってしまいましたが、最後に一つ。ヘレス（シェリー酒）にもハマってしまいました。阿藤先生が行かれなかったボデガ（シェリー工場）見学に私は2回試飲したさに行きました…。本場のあの空気で飲むヘレスは最高！！帰って日本でも飲んだのですが、何か違う…。次の渡西時まで又おあずけです。
今、スペインではマドリッドで丸山さんが留学中です。私のヘレス記はお粗末ながら終わりますが、次のスペイン記丸山編に引き継ぎたいと思います。読んで下さった方ありがとうございました。
