1990年6月 朝日新聞    8/16      


 見せます 燃えるフラメンコ

神戸を拠点に活躍しているフラメンコダンサー、阿藤久子
さんが、本場スペインのダンサー、ホアキン・ルイス氏を
迎えて合同公演を新神戸オリエンタル劇場で開く。
 「燃え上がるような舞台を見せたい」と、阿藤さんは
意欲を見せている。


神奈川県厚木市出身。神奈川大学スペイン語学科3年
の時に2ヶ月間スペイン留学した。4歳からモダンバレエ
を続けてきたこともあり、「おもしろそう」とマドリードのダ
ンススタジオを訪れたのがきっかけでフラメンコの道へ。
 足で床を踏み鳴らす「サパテアード」や手拍子「パル
マ」など、フラメンコ特有の動作に最初は戸惑ったが、
留学の間、週5日通った。
打楽器的なおもしろさ、リズムの組み合わせ、情熱的な
踊りと滑らかな手の動き。習うにつれて、すべてにひか
れるようになった。


帰国後、日本フラメンコ界の第一人者、小島章司氏の
もとで2年半基礎を学んだ。そしてプロをめざして再び
スペインに渡り、約1年間踊り の練習に打ち込んだ。
1982年1月、小松原庸子舞踊団の関西公演に参加して
プロデビュー。83年から活動拠点を神戸に移し、これま
でに84年、88年と神戸で2回リサイタルを開いている。
今回の公演は、 ホアキン氏のほか歌手やギタリストら
8人が来日「ソレア」や「アレグ リアス」など10数曲を披露
する。
阿藤さんは「胸を借りるつもりで精一杯踊ります。踊り、
ギター、歌が三位一体になった素晴らしい舞台をお見せ
したい。」